システムトレードは決して万能なわけではないので、予想だにしなかった損失を被ることがあります。
これは過去のシミュレーションでは起こりえなかったストップ安、またはストップ高の連続によって、
設定した損切りラインをはるかに超えてしまう場合が少なからずあります。
シミュレーションの期間が短かければ短いほど、予想外の大きな損失を被ることになってしまいます
ので、シャープレシオは大きく変化することになります。
たとえば、採用するシステムはシャープレシオ1.5以上であると決めていた場合を例に考えます。
昨日まで、シャープレシオ1.6であったシステムが、想定外の損失によって1.3まで落ちたとします。
このような場合には、自らのルールに従い、このシステムを複数のシステムで組まれているポート
フォリオからはずします。この際、システムを運用中止にするにあたって、損切りをするときと同じ
ように躊躇するようなことがあってはなりません。
なので、たまたま今回予想外のことが起こっただけだから、せめてもう一日待ってみようなどと
いったことを考えないで下さい。このように思う気持ちは痛い程分ります。
特に何年間も使い続けたシステムには誰にも愛着があるものです。
運用中止にするには大きな抵抗がないはずがありません。
しかし、パフォーマンスが落ち始めたシステムを、この先も継続して使い続けることは、損切りを
できないでポジションを引きずるのと同じくらい危険なこととして捉えてください。
所詮、簡単に作られたシステムは2から3年で機能しなくなりますが、深く研究して作られたシステム
であれば、他のトレーダーが追いついてくるまで相当長い期間を有効に機能し続けます。
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