システムトレードに限らず相場で平均以上に勝ち続けることほど難しいことはありません。
もちろん、一時的に相場で勝つことは、それほど難しくありません。
ですので、徐々に数日間、数週間、数ヶ月間、あるいは数年間勝ち続けることにより、トレ
ーダーは自分の能力や自分で設計したシステムに対する自信を深めます。
このため、システムに対する信頼は日に日に大きくなり、いつの日か自信が、過信に変る
ことによって、残念ながら、負けるはずはないという思いが強くなります。
また運用当初はドローダウンが起こるとシステムそのものが有効に機能しなくなったので
はないかと不安とともに自信が揺らぐこととなります。
ここでまた、ブーメランよろしくとばかりに、ドローダウンからの回復を繰り返し、資産が順調
に増えてくると、ドローダウンが一時的なものであるという確信がもてるようになります。
ですので、上述したような心理状態に陥った状態でドローダウンが起こることによって、それ
までの賢明な取引から一転します。そして、一度に損失を取り戻すためにポジションを大き
くしたいという衝動に駆られることになります。
ギャンブルの世界では古典的必勝法といわれています「マーチンゲール法」のように、負け
る度に掛け金を増やしていく方法は危険ですので直ちに止めるべきです。
しかし、余程のことながない限り普段使うことがないなマーチンゲール法も、今のシステム
が必勝のシステムであるという確信があれば、迷わず使うことになるわけです。
ここでまた大きな壁に直面することとなります。市場は常に変化していますので、それまで
有効に機能していたシステムが突然機能しなくなることも十分ありえます。
その時、一時的なドローダウンであるのか、それとも、システム自体に何らかの問題が生じ、
有効に機能しなくなったのかを自ら判断する基準がやはり必要です。
ですので、優秀なシステムは、システム運用を自ら中止する機能を当たり前のように備え
ています。もし、ドローダウンが当初の思惑以上に許容範囲を超えたときには、素直に
ポジションを減らして身軽な状態になるよう努めることです。
そうすることによって、ポジションを減らした後には、さらに大きなドローダウンが起こること
になります。もし、トレード中に次の許容範囲を超えるようなことがあるのであれば、速やか
にそのシステムを使った運用を中止すべきです。
相場において常勝することを望むのであれば、そのシステムの運用が良好であればある
ほど、注意いする必要がございます。といいますのも、ドローダウンが起こったときにポジ
ションを増やしていたのでは、相場において常勝はできません。
システムが良好に機能しているときに、まずすべきことは今のシステムが上手く機能しなく
なった場合、パフォーマンスの低下をフォローする別のシステムの準備が重要です。
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