基本的に
先物、オプションなどのデリバティブを取引する上で価格を予想するために
リスク・ニュートラル評価法は単純なのですが、大変有効です。
実際にデリバティブ関連商品の価格が商品の価格によってのみ決まる状況におきま
しては、そのデリバティブ関連商品の価格をもとめるための微分方程式はリスク選好
度に影響を与えるパラメーターを含んでいないのが現状です。
ですので、デリバティブ商品の価格はすべての投資家がリスク・ニュートラルである
ような世界でも、またリスク選好度の異なる実世界でも等しくなるはずです。
そこで、
デリバティブの価格評価にあたって、すべての投資家がリスク・ニュートラル
であると仮定することが可能になると考えます。
こういった仮定を用いることにより、リスク・ニュートラル価格評価はさらに容易になり
ます。つまり仮に極端なリスク・ニュートラルな世界にあったとしても、どのような商品
でもその期待利回りは常に非危険利子率になります。
そして、デリバティブ関連商品のペイオフの期待値でも非危険利子率で割り引くことに
よって、これらの現在価値とすることが可能となります。
リスク・ニュートラルという仮定のもとで求めたデリバティブの価格はリスク・ニュートラ
ルのテリトリーでのみ成り立つものではありません。よりリアルなリスク回避的な領域
でも正しい値をもとめることが保証されます。
ですので、先物やオプションなどのデリバティブの理論価格を考察するには、必然的
にリスク・ニュートラル評価法に対してある程度理解する必要がございます。
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